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デジタル 書評 AI人工知能

【書評】デジタル資本主義〜デジタル化と資本主義の未来〜

2019-07-15

 

どうも、solobochiです。

 

 

先日、Amazonでジャケ買いした一冊。

 

 

 
 

 

読みました。

 

 

 

 

目次

  1. PARTⅠ:現在の資本主義
  2. PARTⅡ:デジタル資本主義
  3. PARTⅢ:デジタル資本主義の未来
  4. まとめ

7/15更新 Update

 



 

 

PARTⅠ:現在の資本主義

🔸世界経済の成長率
👉3.3%(IMF発表の世界経済見通しによる2019年の世界経済成長率=実質GDP成長率)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/04/1536b44dd277bafe.html
👉先進国の成長率は2%、新興国の成長率は4.5%と、新興国による下支えの構図
👉GDP成長率=人口増加率+1人当たりGDP成長率
└どちらも停滞
👉ちなみに日本の1960年代は人口増加率:1.2%、1人当たりGDP成長率:9.2%、現在は人口増加率:−0.1%、1人当たりGDP成長率:1.1%
👉昨今の日本企業は、2000年頃から、従業員給与と投資が横ばいで、純利益と配当金だけ伸ばし続けている。投資せず配当に回す傾向

 

 

🔸資本主義
👉資本主義:本書での定義は利潤獲得・資本蓄積を追求するシステム
👉資本主義:個人的には、市場主義、国家非介入の経済システムでありイデオロギー
👉資本主義の第一段階:商業資本主義=価格差異を見つけて利潤を得る
👉資本主義の第二段階:産業資本主義=本質的には商業資本主義と同様に価格差異を見つけて利潤を得る。特に産業革命以後、農村部と都市部の労働生産性と賃金の差異によるもの。
👉資本主義の第三段階:デジタル資本主義=デジタル技術を用いて差異を見つけて利潤を得る。デジタル化された情報こそが価値創造の源泉。

 

 

ポイント

🔹資本主義とは利潤獲得・資本蓄積を追求するシステムで、その指標ともいうべきGDPは、一人当たり付加価値の増加によってのみ増大し続けるものと定義されている
🔹既存の経済成長指標であるGDPにもとづいて評価すれば、現在の世界経済は特に先進国において停滞している

 



 

 

 

PARTⅡ:デジタル資本主義

 

🔸消費者余剰
👉賃金は低迷する一方で、消費者は生活レベルが向上していると感じている
👉生産者余剰=生産者の利潤:価格とコストの差分
👉消費者余剰=顧客側の利潤:価格と支払い意志額の差分
👉消費者余剰はGDPに計測されない
👉総余剰=生産者余剰+消費者余剰こそが、商品やサービスによって生み出された付加価値
👉総余剰の大きさは、価格・コスト・支払い意思額の大きさによって決まる

 

 

🔸デジタル化で消費者余剰は増大し、GDPでは評価できない世界へ
👉デジタルサービスにより価格とコストが下がり、消費者余剰を生み出している
└Google、YouTube、Amazon(ECにより中間流通マージン削減でコスト減)
👉無料のデジタルサービスにより生み出される消費者余剰は米国で78兆円、日本で42兆円
👉digital disraption(デジタルディスラプション):限界費用をほぼゼロにするイノベーションゆえに労働節約的
└Spotifyは2万人で20億人のMAU(Monthly Active User)
👉GDP/GNPは1940年代の産物、クズネッツ(America)、クラーク(England)
└インフラ投資や国防のための軍備費などの政府支出は、本来国民の豊かさを計算する際には差し引かれるべきだが、GDP/GNPに加えられることになった
└これにより、国民の豊かさが増大していなくても、政府支出が増大していれば、GDPが増大し、経済的に豊かであると評価されることになった
👉GDPは量に注目しているが質には注目していない
👉GDPではイノベーションによる価格低下を評価できない

 

 

🔸シェアリング・エコノミー
👉Uber、Airbnb、スペースマーケット、Lancers、AirCloset、キッズライン 、WeWork、タイムズカー、メルカリ、CAMPFIRE、MAKUAKE、etc
👉デジタル資本主義の象徴
👉定義は、個人間で資産・サービスを共有する経済システム
👉私有財を共有財化する

👉低稼働率の資産の共有、分散型ネットワーク
👉資産使用頻度が低く、資産価値が高いものほどシェアリングエコノミーに向いている
👉消費から使用への価値観シフト
👉生産者余剰を産む側と消費者余剰を産む側が混じり合う
👉シェアリングエコノミーは消費者余剰を増大させ、それはGDPには加味されない

 



 

🔸デジタル化における資本主義・利潤獲得
👉経済学は、資源の最適配分を考える
👉古典経済ではアダムスミスの神の見えざる手=市場メカニズムにより需給の最適バランスが調整される
👉情報の非対称性(ミクロ経済学)により市場の最適化メカニズムが機能しなくなる
└アカロフのレモン問題、モラルハザード
👉デジタル時代は限界費用ゼロ社会=通信・輸送・エネルギーが分散型プラットフォームを通じて限界費用ゼロとなる社会
👉デジタル化時代では、こだわり・時間に関連するサービスに人は対価を支払う(=こだわり差異、時間価値の差異からそのマッチング等により利潤を獲得)
👉排除性と競合性による財・サービスの分類
私有財(排除性が高く、競合性も高い) ↔️ 公共財(排除性が低く、競合性も低い)
👉産業資本主義では私有財を拡大してきた
👉デジタル資本主義では公共財・準公共財を拡大する
└デジタルで共有できる(シェアできる)ので競合性・排除性が低い
👉デジタル資本主義第1フェーズ:価格差異から利潤獲得(マッチング、比較サイト、商業資本主義的)
👉デジタル資本主義第2フェーズ:コスト差異から利潤獲得(クラウドサービスの利用など)
👉デジタル資本主義第3フェーズ:顧客支払意志額を向上させる
👉デジタル時代のビジネスモデル:プラットフォーマー、API製造、オムニチャネル、サプライヤー
👉労働が価値を生んでいた時代から、情報が価値を生み出す時代へ
👉消費者から提供されるデータをもとに、消費者に価値ある有益な付加価値を提供数る=知識生産性
👉顧客が自らサプライヤーになるツールを提供する
└顧客が自分向け投資ソリューションをデザインできるサービス:欧州大手金融機関
👉生産者と消費者の境目が曖昧になっていく

 

 

ポイント

🔹デジタル化で消費者余剰増大だがGDPでは評価できていない
🔹デジタル化でシェアリングが広まり、消費から使用へシフトするとともに私有財から公共財が拡大
🔹デジタル化では労働ではなくデータが付加価値を生みだし、顧客自身がサプライヤーとなる(シェアリング、パーソナライズ)

 



 

 

 

PARTⅢ:デジタル資本主義の未来

 

🔸デジタル資本主義の未来
👉平等さ・自由さから社会構成体を分類
└国家(不平等・不自由) ↔️ デジタルコモンズ・シェアリング(平等・自由)
└共同体(平等・不自由)、資本主義(不平等・自由)
👉自由・平等のデジタルコモンズでは個人間の取引を通じて信頼を生む
👉デジタル時代の技術文化
人間代替・脱人間人間補完人間強化・人間のデジタル化
👉デジタルがどの領域でどのような価値観で使われるのかによってデジタル資本主義の未来の異なるシナリオを描くことができる
👉シナリオ1:人間代替の技術文化で資本領域を強化する
└AIとBI、プラットフォーマーによる資本集積とベーシックインカムによる経済格差への対応策
(🌟個人的にはこの世界観で良いと思っている)
👉シナリオ2:人間補完の技術文化で資本主義・デジタルコモンズを強化する
👉シナリオ3:デジタルコモンズが主要社会構成体となる
└通信・輸送・エネルギーの限界費用ゼロ社会
└誰もが必要なものを無料で獲得できるため交換価値は無くなり、マッチングや希少性ではなく、シェア・使用を中心に生活が成り立つ世界
└お金に価値は無くなり、余暇と労働は区別がつかなくなる

 

 

ポイント

🔹デジタル資本主義については技術文化・価値観により描くことのできるシナリオが変わる
🔹今の延長で格差の拡大のシナリオもあれば、シェアリングによる世界で交換価値のない世界もある
🔹人間がどのようなデジタル社会をつくりたいのかによって実現する社会像も変わってくる

 

 



 

 

まとめ

 

消費者余剰についてGDPに含められておらず見落とされていること、そしてこの消費者余剰こそデジタル化で増大している価値であることの分析についてはこれまで考えたことがなかったため新鮮だった。

シェアリングエコノミーの拡大や限界費用ゼロ社会については既知の話が多かったものの、サービスを排除性・競合性の2軸で分類し、公共財と私有財の対立構造での対比は分かりやすかった。

同様に社会構成体についても、平等さと自由さの2軸から国家とデジタルコモンズに対比し、最終的にはどの社会でどのような価値観でデジタルを活用するのかによって、描くことのできるシナリオは多様であるという

ふわっとした結びで終えられていた。全般的に分析は分かりやすく、最後の未来に向かう記述はふわっと結ばれていたという印象だが、今のトレンドのおさらいと未来を考えるきっかけとしては良本だったと思う。

 

 

 

 

 

 

以上

 

 

 

 

 

 

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(名前):solobochi

(説明)
独身アラサー男子
国内大手IT企業中堅社員。
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